蜘蛛の糸

蜘蛛の糸　　天より報せ　　持ちており　　　一水

五月蝿

五月蝿　　窓にぶつかり　　爆走す　　　一水

精も根も

精も根も　　つき果たしおり　　面白味　　　一水

ひとりっこ

ひとりっこ　　犬が友達　　置時計　　　一水

紙風船

揚羽飛ぶ　　人情薄し　　紙風船　　　一水

決断

芝つまみ　　風に流して　　決断す　　　　一水

虚空

投げる打つ　　虚空つかみて　　呼吸ながる　　　一水

うなぎどんぶり

飛び切りの　　うなぎどんぶり　　二人して　　　一水

姫櫻

名を探す　　図鑑めくりて　　姫桜　　　　一水

古梅

裏年に　　肩身の狭き　　古梅かな　　　　一水

一陣の雨

予報見て　　一陣の雨　　山越える　　　一水

虫

日焼けして　　虫も裸足で　　不遇なり　　　一水

薫風

薫風　　突き抜ける青　　突っ走れ　　　　一水

夏の来る

濁り川　　黄土流れて　　夏の来る　　　一水

鉄塔

送電の　　鉄塔構え　　裏表なし　　　一水

悔恨

悔恨と　　蓮根てんぷら　　揚げており　　　一水

夏気配

傘立てに　　見知らぬ色の　　夏気配　　　　一水

血圧

白衣見て　　血圧上がる　　凡夫おり　　　一水

グレープ

手に乗せて　　グレープの糖度　　量りおり　　　一水

端折り

薫風や　　ズボン端折り　　弾む足　　　一水

鳥の発つ

新緑の　　風に向かいて　　鳥の発つ　　　　一水

無垢の愛

無垢の愛　　母の唇　　鋼打つ　　　一水

戦さ蟻

手足ふり　　勇気勇気と　　戦さ蟻　　　一水

苺の粒

ぷちぷちと　　苺の粒は　　語りかけ　　　一水

酢だこ

連休に　　猪口才な蛸　　酢だこにす　　　一水

草むしり

閑居して　　ゴウルデンウイーク　　草むしり　　　一水　　

枯れ木

鋸で　　旅を終えたる　　枯れ木切る　　　一水

鯉幟

生きざまを　　風に靡かせ　　鯉幟　　　一水